AIと対話して見えてきた消費税「1%減税」の盲点

物価の高騰に、多くの消費者が悲鳴を上げている。実質賃金の伸びが追いつかない中、先の衆院選でも争点となった「食料品の消費税減税」だが、ここにきて「ゼロにするより1%にする方が早く実現できる」という論調が出てきた。

「値札の貼り替えがないシステム改修なら、本当に1%の方が早いのだろうか?」

そんな素朴な疑問が湧き、普段から活用している最新のAI(GeminiとChatGPT)に質問してみたところ、システムと制度の裏側にある、意外な盲点に気づかされた。

1%にするのは「新築」、0%にするのは「リフォーム」

まず、Geminiが教えてくれたのは、ITシステム開発のシビアな現実。

現在の日本の消費税システムは、主に「10%」「8%」「0%(非課税・免税)」という3つの箱(区分)で計算するように設計されている。

「1%」にする場合:

システムの中に全く新しい計算ルール(箱)をゼロから作る、いわば「新築」。レジだけでなく、在庫管理、経理、メーカーとの受発注システムまで、網の目のように連動するすべてのプログラムを書き換える必要があり、数ヶ月以上の期間と巨額のコストがかかるとされている。1円のズレも許されないため、膨大なパターンのテストも必須になる。

「0%」にする場合:

すでにシステム内にある「0%(免税・非課税)」の枠組みを使い回す「リフォーム」で済むため、技術的には圧倒的に早くて効率的。

ChatGPTの指摘と、イギリスに学ぶ「0%課税」

「だったら0%の一択ではないか」と思ったのだが、もう一つのAI、ChatGPTに投げかけると、さらに鋭い視点が返ってきた。「制度として0%をどう位置づけるかで難易度が変わる」という。

単に日本でおなじみの「非課税」にしてしまうと、お店側が仕入れにかかった税金を国から還付(返してもらう)できず、大損をしてしまう。これでは物価高対策にならない。

そこで参考になるのが、イギリスの「ゼロ税率(Zero-rating)」という考え方。

これは「課税対象」のグループに入れたまま、税率だけを「0%」にする仕組み。これならお店が損をすることなく、消費者にだけ「税率ゼロ」の恩恵を届けることができる。政府が「期間限定の減税」にしたいならなおさらだ。期間終了後、また巨額の費用をかけて1%のシステムを廃止するような、二重の無駄を防ぐことができる。

政治の妥協が生む違和感

政治家が言う「1%」は、「ゼロ派」と「財源派」の間を取っただけの、政治的な妥協案に過ぎないのではないだろうか。現場のシステム構造や、持続可能な制度設計がまるで視界に入っていない。

問題なのは、政府がこうした大切な中身や課題を国民に一切説明していないことだ。また、社会インフラを支えるシステム設計者たちの声が全く聞こえてこないことにも強い違和感を覚える。

デジタル社会の政策だからこそ、報道も単に政局を追うだけでなく、ITや税制の専門家の意見、そしてイギリスのような海外の知恵をしっかりと紹介し、本質的な議論を届けてほしいものだ。

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生命感あふれる油彩画の制作をめざしています。

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