教皇選出の舞台、システィナ礼拝堂

今、ローマのバチカン市国にあるシスティナ礼拝堂では、全世界の人々が注目する「コンクラーベ(教皇選挙)」が行われている。荘厳な沈黙と緊張感が漂うこの場は、ルネサンス芸術の頂点とも言える空間であり、その中心にはミケランジェロの魂が息づいている。

システィナ礼拝堂は、15世紀に建立され、礼拝だけでなく、重要な儀式や選挙の場として用いられてきた。中でも最大の見どころは、ミケランジェロが描いた天地創造の天井画と、祭壇正面の壁に描かれた『最後の審判』だ。これらは教皇ユリウス2世や後の教皇パウルス3世の命により描かれ、単なる装飾ではなく、聖書の物語と神の裁きを深く表現する神学的芸術。

ミケランジェロは彫刻家として『ダヴィデ像』や『ピエタ』で知られているが、このシスティナ礼拝堂において彼が足場に寝転びながら描き続けた天井の『天地創造』や、力強く劇的な『最後の審判』は、訪れる者すべての心を打つ。ミケランジェロは絵画においてもダ・ヴィンチと並んでルネサンスの大巨匠だ。

その『最後の審判』の前で、今まさに世界各国から集まった枢機卿たちにより新たな教皇を選出するための祈りと議論が重ねられている。選挙の結果は、礼拝堂の煙突から上がる煙によって世界に知らされる。白い煙は新教皇の選出を、黒い煙は決定に至らなかったことを示す。今朝、残念ながら煙突からは黒い煙が立ち上った。多くの場合、一回の投票で決まることはなく、選挙は何度も何度も繰り返される。

世界が固唾をのんで見守る中、システィナ礼拝堂の静けさの中に響くのは、祈りの声と、歴史の重みだ。

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生命感あふれる油彩画の制作をめざしています。

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