今日は現役時代に宣伝の仕事で大変お世話になった元電通のアートディレクターの友人Kさんが亡くなったことを知った。4日前に肺癌で亡くなったことを娘さんがfbの本人のページに書きこんでくださったのだ。多くの方が思い出を寄せておられ、みんなに愛された人だったことがわかった。
30年以上前、私は宣伝部の海外担当で、カメラの英文カタログや雑誌広告などを制作していた。まだ当時はフィルムカメラ全盛時代で小型軽量が得意なオリンパスは日常生活防水やフラッシュの自動発光、逆光の自動補正などセールスポイントにして次々に新製品を出していた。
カタログでは「こんな写真が撮れます」ということを作例を出して伝える必要があり、作例撮影のためにKさんと一緒にハワイやロスに現地のカメラマンを使った作例撮影に出かけた。予算がたくさん使える古き良き時代だった。
亡くなったKさんはもともとロサンゼルス在住のアートディレクターとして電通に入社してオリンパスの担当になった方で英語が堪能でアメリカ的なウィットに富んだ方だった。
XAというカプセルタイプのカメラの広告では海外の著名な広告賞で金賞をとったことがある実力のあるクリエーターだった。電通退職後はデザイン学校の副校長を務め、多くの若いクリエーターを育成された。
ミッキーマウスが大好きで、お宅を訪問した際、飾り棚に満載のアンティークミッキーマウスを見てコレクションのすごさにびっくりした記憶がある。いつもパイプをくゆらせていたのが思い出される。
9月の私の個展の前に電話をいただき、「今年は体調不良で伺えません」と話をしてくださったのが最後となった。友人の死はこたえる。

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