原田マハの短編小説を読んだ。マチスのそばに仕えた女性の物語、「うつくしい墓」、アメリ人の女流画家メアリーカサットが見つめたドガと14歳の踊り子の彫刻作品のお話し、「エトワール」、セザンヌやゴッホなどを画材商として支えた「タンギー爺さん」、ジヴェルニーの邸宅でモネのそばにいた義娘の目から見たモネの姿「ジヴェルニーの食卓」。
厳密にはフィクションではあるが偉大な画家のそばにいて画家を見つめたひとの小説として何の違和感もないし、画家たちの絵や世界観が共感できる素敵な短編集だった。
どれも好きな話だが、印象派以降の画家を助け、画材の絵の具を代金出世払いで提供したタンギー爺さんが魅力的だった。セザンヌもゴッホもお世話になったようだ。今の時代にタンギー爺さんがいて彼らの名声に接したらきっとたいそう驚くだろう。

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