モネは絵が売れ出した時、ジヴェルニーに広大な土地と邸宅を購入。日本風の太鼓橋や睡蓮の池を含む素晴らしい庭園を手に入れた。若い頃は極貧に喘いでいたモネも後年に画家として最良の環境を手に入れたわけだ。
西洋美術館には以前から睡蓮の大作があったが、今回の展覧会にはパリのマルモッタン美術館から日本初公開作品7点を含む、およそ50点が来日しているので見に行かないわけにはいかない。会場の西洋美術館は平日にも関わらず朝からものすごい行列。日本人は印象派の画家が好きだ。印象派の代表者モネの展覧会は当然多くの人を集める。
会場は全体的に撮影禁止だが、1室だけ写真撮影が許されている部屋があり、この絵はその中の1枚。充実している。睡蓮の池に、周囲の木々や空が映し出される大画面の絵画は圧倒的だった。
モネの晩年は、最愛の家族の死や自身の眼の病、第一次世界大戦といった多くの困難に直面した。また、眼の病気のせいで、晩年にはあまりよく見えなかった。最晩年の作品は形態もはっきりせず、赤が強烈に強かったりするが、見えないなかでも制作への意欲は衰えず、懸命に描いたのだろう。

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