マチスの生き方

ピカソとマチスは20世紀を生きた天才であることは誰もが認めるだろう。第二次世界大戦の最中、ピカソはゲルニカを描いて戦争反対の意思を激烈に表現した。一方、マチスは戦争のときも病床の時も明るい色彩で人々の心に寄り添うような絵を描いた。

絵画の本質的な価値として「まるで肘掛椅子のように人々を癒しうるもの」を理想としたマチスの生き方は本当に共感できる。何かを主張したり、画面上で感情を爆発させるような絵でなくともよい。謙虚でそれでいて、色彩と形態のハーモニーで観る人の心を真に充足させるような絵画をめざしたのがマチスだと思う。

晩年病床にいながらヴァンスのロザリオ礼拝堂のための絵画を長い棒の先にデッサンのチョークを結び付けて描いているマチスの写真がある。本当の絵描きだと思う。

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生命感あふれる油彩画の制作をめざしています。

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