エゴン・シーレ展に行った。
シーレが生まれたのは1890年。ゴッホが死んだ年だ。1918年の第一次世界大戦の最中、欧州を襲ったスペイン風邪でわずか28歳の生涯を閉じた。ウィーン芸術アカデミーに弱冠16歳の若さで進学したまさに早熟の天才だった。ちなみに同じ芸術アカデミーにアドルフ・ヒトラーが挑んだが不合格になっている。シーレはクリムトと並んで世界中の名だたる美術館にその絵が飾られ、ヒトラーはナチスドイツを率いて第二次世界大戦で世界を恐怖に陥れた。
シーレの作品は少女の裸体、ゆがんだ自画像や人物像など生々しい作品が有名だが、人体は的確なデッサンによって骨格、肉付けが描かれているし、印象的な風景画も数多くあり見ごたえがあった。油彩画はもちろんだが、人体を描いた鉛筆やチョークを使った作品も魅力的だった。
シーレが活躍した20代の頃、クリムトはすでに巨匠として画壇に君臨していたが、そのクリムトに才能を認められたこともあり、自分の作品には自信をもっていたと思う。いつもと違って展覧会場は若い世代の方が多かった。

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