あの頃のこと⑤

大学で活動していたサークルのこと。活動の中心は、木炭デッサンとクロッキー、あとは年に数回行く合宿。「絵画会」は独立したてだったので部室がなく、当時早稲田の商学部の建物だった12号館のラウンジにたむろしておしゃべりをしていることが多かった。デッサンは本庄のセミナーハウスまで出かけて行って泊りがけで夜遅くまで描くのが習わしだった。翌朝の合評会でいろいろ悪い点を指摘され、意気消沈してしまうこともあったが、今思えば大切な時間だった。

クロッキーは文学部の教室を借りて行なっていた。裸婦のクロッキーなので他の関係ない学生に覗かれては大変と窓に白い紙を貼って目張りをして描いていた。冬の寒い日などは石油ストーブを2台ほど持ち込んで描くのだが、隙間風が入るような古い建物だったので、モデルさんも寒かっただろう。

合宿では油彩画を描いた。千葉県の銚子の漁港、山梨や長野の山の中によく行った。一番遠かったのは松本の更に先の青木湖だったように思う。画家になった菊地さんは東京から自転車で来て、更に到着後は青木湖を泳いで横断していたので驚嘆した。

油彩画も描き終わると合評会。ほとんど褒められることはなかったが、先輩の描いた作品は不思議と今でも覚えている。酒が飲めない私としては合宿の夜の酒盛りは苦手だったが、その後に繰り広げられた美術談義は面白かった。モネ派とルノアール派に分かれて少し険悪な雰囲気になったのも楽しい思い出。

絵は山梨の葡萄 甲斐路 A4サイズカードボードに油彩

作成者: mark

生命感あふれる油彩画の制作をめざしています。

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